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中国見聞録 〜坂上雲 猿まねの国と呼ばれて

当時の日本というのは、
今の豊かな日本からは想像もできないほど悲惨だった。

この日露戦争からほんの30年ほど前までは、
チョンマゲを代表とする世界中のどの民族ももっていない
奇妙な独特の民俗を持っている個性的な民族だったのだが、
それがたった30年で、まがりなりにも憲法を持ち、国会を持ち、
法律を持ち、陸海軍を持っている。
この驚くべき民族的荒技はすべて

「ロシアへの恐怖」

が原動力になっているといってもいいと思う。
これはすべての動物が持っている本能。
すべて前述の征服される恐怖からきている防衛本能だ。
しかし、この生き残るための必死の民族的運動は西洋諸国からみると、

「猿まね」

と笑われた。


(ロシア帝国の大ボスであるニコライ2世)

特にロシア皇帝のニコライ2世は公然と日本人をマカーキ(猿)と呼んだ。
それでも日本人は侵略の恐怖から逃れるために、渾身で西洋化したのだ。
古代ローマの歴史家タキトゥスは、
ローマ人に征服されつつあるブリタニア人(古代イギリス原住民)が、
敵であるローマの文化文明を積極的に受容している様を、
文明化ではなく奴隷化だと笑ったが彼がこの時代に生きていれば、
やはり日本人をこの原住民を笑うように笑ったんだろう。

しかし、日本人は西洋文明を受容するのに必死だった。
単なる好奇心からではない。
これほどの急激な生活様式の転換はそんな生やさしいことではできない。
恐るべし恐怖心からなのだ。
教科書に書いてあるようなニュアンスではないだろう。

また、同じアジアの隣人である中国や朝鮮からは、
この悲壮な決意による欧化を裏切りもの呼ばわりされて軽蔑された。
特に中国は、世界の中華と思っている。
中華文明こそ世界で最高だと伝統的に思っているのは中国(清)で、
日本の懸命な欧化に対して軽蔑した。
そして、特に大中華文明の最も従順な信奉者であり続けようとする朝鮮は、
「倭人はおのれの風俗を捨てた。唾棄すべきことだ」と嫌悪し、
着ている服が日本古来のものでなくなったというだけの理由で、
朝鮮に行った正式な日本の使節団が追い返されたこともあるという。

というようにこの時代、
この非力でか弱い島国の人々はどこの国からも相手にされなかった。


(ロシアに立ち向かわざるをえない猿であるところの日本)


しかし、それでもめげずに日本人は欧化をすすめ、大まじめに富国強兵につとめた。
日露戦争直前10年は、歳出に締める軍事費がなんと55%なのだ。
税金のほとんどが戦争準備に使われている。
この数字を見たときに、本当にこういうことがありえるのかととても驚いたが、
事実、国民は飢餓の苦しみを一国民にいたるまで負ったのだ。
「龍馬伝」で福山雅治は「海軍をつくるぜよ!」と爽やかに言っているが、
実際に海軍は全国民の(しかも国民になったばかりの)飢餓の上に成立したのだ。


(貧しくとも前向きな国民)


(当時の日本人の若者たち)

しかし、そんな暮らしの中でも反戦デモは一切おこらなかった。
世論はロシアへの恐怖と憎しみですでに醸成され、
民衆はむしろ早期開戦派で、
それを抑えるのに必死だったのが伊藤博文を代表とする政府だったのだ。
それも、

「現実的に勝てる見込みがほとんどない」

というため息がでるほどまともな理由で。
実際に10倍の国力と10倍の陸海軍を相手は持っているのだ。
こんな状態で世界が注目する中、
この国はここ旅順で強大なロシア帝国を相手に戦わなければならない。
こんな可哀想な生まれたての国があるだろうか。





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